あれから何日が過ぎたであろうか…。

私は、闇の中に葬り去られるはずであった最高機密事項を世に出したが為に、
自らの安全を、手放してしまった。

安らぎとは何であったのか、忘れてしまいそうな日々。
安息には縁遠い
荒野には、予想以上に、レベルの高い追跡が待っていた。
私が望むものは、
暖かい寝具と、暖かいシチューを一杯だけ…
それさえも、今は叶わない。

皆様の安全は大丈夫であろうか。
今、とても気になる…。


…だが、しかし!
先日、私が目撃してしまった現実を、皆様にお話しない訳には、いかないだろう。

かの『
当方見聞録』に記されていたと思われる人物達を、
この目で実際に見かけてしまったからである。

すでに、私とあなたは同類。
そして、このメモが、私の生きていた唯一の証拠と成り得るのだから…。


あの日、私は、
追われる足音に怯えながらも
北西の巨大地下迷路の洞窟
パレヤまで、我が身を運ぶ事に成功した。

風雨にさらされる心配が無い場所に8日ぶりに、たどり着き
安眠をむさぼろうと、疲れた体を横たえようとした。

その時!

洞窟の中だというのに、赤ん坊の泣き声が…したような気がした。

足音に気を配り、風を感じた横穴の方向に目を凝らしてみると…
8つの人影が、ランプの明かりに照らされている。

私も、その瞬間には我が目を疑った。
まさか!!!

思った。


実際に、彼らは、
自分たちを色で呼びあっていた。

何故、こんな場所に彼らが居るのだろうか!?


背広を着込んだ『BLUE』は
真面目な顔で『GREEN』と話し込んでいた。
静かに怒りを表す『GREEN』の話し振りからすると、
何か
大きな敵と戦っている最中らしい。

その証拠に、
『PURPLE』は、右手・人差し指と中指に、包帯を。
『BLACK』は、肋骨と脳の負傷がひどい。
戦闘による負傷であろう。

『LUMINOUS』と『ORANGE』は
精神的疲労が表情に溢れていた。
2人で支え合っていないと、生きられないという現状らしい。


加えて
『GRAY』は、特殊工作任務中で連絡不通。
『YELLOW』は
後日『BROWN』と改名して、復活してくる予定があるようだが、
今は、
いんふるENZAという化学兵器にやられて
瀕死の重傷を負っていて、不能。

この2人は、この日最後まで、姿を見せなかった。


疲労感がただよう中、『WHITE』は、戦闘車両を気に掛け、
時折、集団を離れていたのだが、
次の瞬間!
あの書物には書かれて居なかった人物を、連れて来た。

『RED』という新顔の女だった。
なぜか、頭から2本のアンテナのような物が出ており、
シンバという名の、喋るぬいぐるみを抱えている。
古文書に書いてある
“第六感”という、見えない力で窮地を救う
人間秘密兵器のようだ。


シンバは『BLUE』を興味深げに見つめ、
これから戦わなくてはならない敵への不安感を、和ませていた。
癒しの能力を持つ人形なのか…。
だが、
『BLUE』に触れられると
とたんに、その能力が消えてしまうらしい。


「あ!」
と思った時にはもう手遅れだった。
カッ、カラン、カラ〜〜ン
私のペンが、洞窟の静寂を転がって行った。


その瞬間。
私の耳元を、空を切る弾丸がかすめた。
!!!
彼らは、目に見えないスピードで、攻撃を仕掛けてきた。

薄れていく意識の中、
私は確信した。
「本当に、彼らは存在したのだ!」



目が覚めた私に小さな毛布が一枚、掛けられていた。
傍らには、一欠片のパンが…。
そして


私達は見方だ
2月11日
七味天晴れ家で待つ

と、書いたメモが……。
一体、どういう事なんだろうか。

昨夜の彼らの気配は、もう、どこにも存在していなかった…

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