戯曲『スカーレット・セレナーデ』が出来るまで…


僕は、時代物が大好きです。
小さい頃から、歴史書や伝記を良く読んでいました。

1stや2ndで、この事柄が出なかったのが不思議な位です。

高校時代、友は皆[竜馬がゆく]を読んでいました。
僕は[勝海舟]を読んでいました。

『かっつだぜー!』の言葉は、この頃から考えていたのです。

いつか芝居でと思った矢先、
隊長が「そろそろ時代物をやりたいなぁ」と言い出しました。
すると、本田隊員が、「明治維新って良いですよねぇ」と言います。

そして稽古場を見渡すと、
その日川崎隊員の格好は、黒のロングスカートにポニーテール。
僕の目の中に、竜馬が映っていました。

その後ろには、斉藤隊員が太っています。西郷も見付かりました。
憧れの勝は、隊長。
その恐妻・お民を、荒井隊員。

さあ、明治維新は始まりました。

維新好きの本田隊員には、咸臨丸に乗ってもらい。
謎の生き物・岡田隊員には、亜米利加で死んでもらおう。
永野隊員は、勿論異様な外人。
逃げの桂小五郎は、身軽な水田隊員…。薩長争いは、楽しそうです。

段々と頭の中では、思うようにキャスティングが進んで行きます。

その時です。
隊長が「歴史をそのまま忠実に描かないでよ。NHKじゃないんだからね」


そうでした。
僕は、以前にも歴史を捏造した芝居を何作かやってます。

さあ、捏造が始まりました。

どうモテ遊ぶか考えていた矢先「踊る大走査線2/レインボーブリッジを封鎖せよ」を見ました。
ネゴシエーターという、面白い言葉が耳に付きました。
勝の江戸無血開城の功績。

捏造の準備は整いました。
新人・高橋隊員を、徳川慶喜将軍。
そのアホ家臣を、出村隊員&西村隊員。
都築隊員は、勝家の女中。


そんな時、インターネットで注文した「氷川清和]等々の書物が届きました。
さあ、読書の時期が始まりました。
隊員達の顔を思い浮かべて読む歴史は面白いです。
そして、知らぬ内に本は完成していました。

今読み返しても、自分で書いた記憶がありませんです。

では、誰が書いたのか?勝海舟か?坂本竜馬か?西郷か?桂?
いいえ。
この本は、チャッターギャングの隊員達が書いたのです。

遙優雅

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