STORY |
松戸の考古学発掘現場。
考古学界のゴッドハンドと騒がれた考古学者藤本孝一のチームが発掘作業をしていた。
実は藤本は、予め埋めておいた石器等を、さも自分が見つけたかの様に掘り出し、
歴史の捏造をおこなった人物だったのだ。
世間から疑惑の目で見られ始めた藤本だが、そんなことどこふく風。
のほほんとする毎日であった。
そんな時、助手オダが、柘植の櫛を掘り出す。
「日本橋・与野屋・天保二年」と彫られたその櫛に、藤本の捏造魂がメラメラと燃え出す。
引き止めるオダであったが、おもしろがる助手みつ子の加勢もあり、
ついに藤本の新たな捏造が始まる。
材料は、「たまたま持参していた近所のおばあちゃんに鑑定を頼まれた家系図」
そして「柘植の櫛」。
そこに世界的戯曲家、Wシェイクスピアのストーリーをパクってしまおうというのだ!
舞台は、江戸時代の馬津宿(松戸)。地元やくざの守屋一家。
守屋は地名の守谷からとり、リア王から守屋の親分という名前を頂くといった具合である。
隠居をするという守屋の親分は、その子分、
マクベス(幕平)、ロミオ(富夫)、ハムレット(烈太)に
それぞれ縄張りをわけようとする。
成り上がりのチャンスとばかりに、争い始める幕平と富夫。
正直に生きようとするばかりに方向性に悩み始める列太。
男達の争いの中、それに関わる女達にも、荒波の様な運命が迫りくる。
その裏には、ある少女の策略が、深く関わっていた。
不幸な自分の生い立ちを恨み、悪党の道に進むことを決意した女
お三(リチャード三世)であった。
お三は、ある日出会った、不思議な妖婆達の力を利用し、その類まれなる策略をもって、
馬津村でなりあがっていくのであった。
ただ一つ、鬼門と予言された言葉だけが気になりながら・・・。
一つの柘植の櫛から紡がれる運命(捏造)は、果たしてどこまで続くのか?
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